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ソフトバンクグループ(孫正義)2022年3月期決算 1兆7千億円赤字は、コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、アリババ(中国株式)、マーケット(FRBの利上げ)のため

投稿日:2022年5月13日 更新日:

5月13日の決算記者会見で、「言い訳ぬきで、結果を出す」が口癖の孫さんが、暗い面持ちで外部環境の悪さ(コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、FRBのインフレ抑制の利上げ)によるマーケットの動揺から話を始めた。今回の決算発表は、今までの中でも技術的には抜群に面白くない内容だった。胸には、ウクライナの国旗の色のハンカチをしていた。かつて、プーチン大統領とエネルギー分野での構想を語っていた過去を思い出すと胸中は複雑な心境だっただろう。

唯一、ワクワクさせてくれた部分は、armの攻めの部分。

決算翌日の株価は、過去最高の赤字にもかかわらず、12%高と、悪材料出尽くしからか値を戻した。

 

結論は、一言 今は「守り」の時期

決算会見で述べたことは、孫さん本人も言っているが、徹底した「守り」の一言。

手元に現金を厚く積む(継続的な資金化)。

新たな投資については、厳格に行っていく。

これが、本日の結論。たったこれだけだ。(攻めとして、ARMの戦略についても述べたが。)

資金化については、投資した株式を売ったお金で再投資をする循環が出来つつあると説明している

 

NAV(時価純資産)とLTV(純負債/保有株式)

いつもの、NAV(時価純資産)とLTV(純負債/保有株式)の説明のみ。聞き飽きた感もするが、市場が、ソフトバンクグループの株価をNAVの半分(50%ディスカウント)としているので、毎回説明するしかないのだろう。

NAVは、18.5兆円で(昨年の12月末から0.8兆円減程度)、時価総額9.2兆円とすればディスカウント率50%だ。

上場株であれば、SBG株を通じて持つという意味では、半値で買えるという意味。

それだけ、ソフトバンクグループの決算の上振れ、下振れに投資家はビビっているともいえる。

 

中国投資分は、ついにマイナスに。Vision Fundの損益

今回の決算の最も影響の大きい部分は、VFだ。約3兆円分のマイナス。ついに、中国は、投資分を吐き出し、マイナスになってしまった。とは言え、3兆円のプラスであるという一面も事実。と孫さん本人が説明。

 

アリババ比率は22%まで減少  NAVは、半分がビジョンファンドへ

もはや、アリババがなくなったとしても、ソフトバンクグループは致命的な状況にはない。かつて、アリババが絶好調の時期は、約6割をしめていたが。今では、22%だ。ここで、注目は、12%のarmの存在。armは、後述するが、近々に行う予定(記者からの質問が集中)のIPOに向けて、決算、前日?にようやく、最大懸念であった中国armの経営者が居座っている問題が解決したらしく(新経営陣任命により)、IPOに向けての障害がなくなった。IPOが行われると、今SBGが保守的につけている値付けが、大きく跳ね上がり、armを超える水準(つまり、22%を超えるという意味)になるようなことを孫さんが話していた。(いい加減なことを言うとまずいので、投資しようと思う人は、SBG決算資料のページ 自分で 孫さんから聞いてください。後半の記者からの質問で答えている。)

とにかく、これからは、armに期待大ということだ。(この前まで、売ろうとしてたのに)

NAVは、半分(49%)がビジョンファンドになった。ビジョンファンド投資分は、arm(VFの25%分など)の大型もあるが、ほとんどは、各地域、各業種にわかれて、小口で投資されたもの。何かの地政学的リスクなどで一発でやられたアリババとは違うという説明もあった。

 

攻め アーム(arm)

守りを とにかく強調していたが、攻めは、やはり得意のご様子。表情が生き生きとしてきた。

孫さんの頭は、今は、armの経営のことと、ビジョンファンドのことで半々ほどで、armの戦略について頭を使っているようだ。そもそも、armを巨額買収したニュースのときを思い出すが、あの時の理念では、armを持っていることで、業界の全ての情報が手に入り、中長期的な戦略の要になる(碁でいう、布石を打つ。何年後かに皆さんも、私が何を考えていたかわかると言っていた。)孫さんが、なぜ、NVIDIAの株式を保有することになるとはいえ、アームのNVIDIAへの売却を考えたのか理解できない。アームを持っている価値の方が遥かに高いだろう。アームを日本が持っているという意味合いもあるのではないかと思う。

 

アーム(arm)への成長期待

アームへの成長期待は、とても高い。Armベースのチップ出荷数は、21年になんと290億個。売上高が直近、数年のレベルから跳ね上がり、第2の成長期に入ったことや、EBITDAの良さ、マルチコア化など次々とスライドが用意された。

これから、爆発的な伸びのための戦略を孫さん自ら考えているとのことだったので、ひさびさに事業化の孫さんも見てみたいところ。

投資家ではなく、資本家と自らを呼び、5兆円の利益で舞い上がっていた昨年の孫さんよりも、事業をターンアラウンドさせていく(今回のアームでは、さらなる成長だが)姿の方が美しく感じる。やはり、何か、お金だけ出して、汗をかかないというのはどうなのかな?と感じてしまう。

 

アームに追加資金は不要 IPOに障害なし。

armの成長には、SBGから追加の資金は不要という点も強調していた。armは、半導体の設計をやるのであって、設備投資の費用は不要。今後の爆発的な成長にも、以前の携帯事業などのインフラ事業の先行投資に莫大な費用をかけるという構造とは全く違うということ。つまり、アームで完結して、どんどん成長してくれる。そこに孫さんの知恵と、ビジョンファンドとのシナジーも?

そして、記者からの質問が集中したアームのIPO時期も、法務部門からきつく言われているので、しゃべれない。何が何でも、市場のセンチメントを無視してまでIPOするというわけではないが(予定よりも市況により半年遅れるとかはありうる。)、なるべく早く行いたい意向を示していた。個人的には、もっとゆっくり大きくしてから、高い時価でマーケット環境が良い状態でIPOした方がいいのではないかな?と思うが。

 

情報革命の歴史  はげだけど、ペテンはげ ではない。

孫さんのプレゼンは、最後に情報革命の歴史を俯瞰してみようということで、1994年を1としてインターネットバブル、リーマンショック、今回の急落(いずれもピンク色の文字)として、常に情報革命を担う企業群(IT)は、バブルとみられて、半分ないし、3分の1程度に急落して、そこから、また急上昇していく。その上昇が二次曲線で急激にくると説明。このあとも、数年後にまた、あがっていく方向感を示した。 ニュアンスが伝わらないと思うので、SBG決算資料のページ で 孫さんから聞いてください。  

大局を俯瞰してみよ。そこに投資せよ。ということですね

勇気のある人は落ちているときに買うと信じている。ここから、上がっていくとも。

毎回のプレゼンで、ペテン禿(はげ)の話をしているが、今回は、はげだとは思うけどペテンじゃないんだけどなあーと。 しかしながら、このあと、上がっていかなければ、ペテンの文字は、消えない。 ここまで来たのにも関わらず、まだ、市場参加者の中で、孫氏の実力に対して、懐疑的な見方が残っている。(WeWorkや、ウーバーとかアリババの売却など)

為替などの変化ではなく、「長期的な進化」、進化(情報革命)に我々は取り組んでいく。

 

結論

2年の償還期限の金額の倍以上、現金をもって、LTVは、低く保ち、

 

守りと

 

攻め。(お金をつかわずに)

ビジョンファンドについては、投資回収した資金で投資に回すサイクルになりつつある。

 

必ず、情報革命で人々を幸せにしていく。

 

記者の質問は、割愛。(上記本文にちりばめたものも。それにあまりぱっとした質問がなかった。)

出典:

SBG決算資料のページ

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