いよいよこの日が。「はやぶさ2」から、小惑星(リュウグウ)に探査ロボットが投下された。見事成功。JAXA管制室(神奈川県相模原)は、拍手がおこり、喜びに包まれた。4年前に、はやぶさ2が打ち上げられ、今年6月に小惑星(リュウグウ)に到着し、着陸に向け、リュウグウ上空から観測を続けていた。
今年6月の記事:はやぶさ2 小惑星(リュウグウ)に到着 今後、着陸し岩石を持ち帰る
今年7月の記事:はやぶさ2 リュウグウ その後 形状モデル 画像解析
目次
HAYABUSA2の影が、はっきりと確認 MINERVA-Ⅱ 1をリュウグウに投下
2018年9月21日午後1時19分、これまでで一番、はやぶさ2が、小惑星(リュウグウ)に近い位置、高度100m付近にて撮影した画像が、これ。画像には、リュウグウに、なんと、はやぶさ2の影が見えます。太陽光パネルを広げた状態の「はやぶさ2」の姿が影を通してみえます。なんと、美しい。感動ー。しかも、この写真、通信状況の問題によって、欠けていますが、それがまたいい。そして、「はやぶさ2」の影の部分は、めっちゃ綺麗に映っている。そして、りゅうぐうの凹凸がみえ、なんともたまらん、いい写真ですね。JAXA他、関係者の皆様、感動をありがとう。
9月19日は、探査機が降下するための準備
9月20日は、実際に探査機が降下を開始
9月21日は、MINERVA-Ⅱ1を分離
と進めてきた。
(小話:9月21日は、iPhone XS, iPHoneXS MAXの発売日。趣が違う。おそらく、アップルは、この重要な日にiPhone発売をぶつけてきたのだろう。(冗談))
はやぶさ2から、小型探査ロボットの分離に成功
MINERVA-Ⅱ1分離運用スケジュールとして、事前に公表されていたスケジュール時間(9/21 13:00~13:30)で MINERVA分離とあるので、まさにこの時間あたりに、小型探査ロボット MINERVA-Ⅱ 1(ミネルバ ツー ワン) をリュウグウに投下する作業が行われた。ということですね。
はやぶさ2から、小型探査ロボットの分離に成功した。
JAXAの会見にて、「事前に想定したことが、そのとおり3億キロメートル先で正しく予定どおり動いた。我々にとっては、非常に大きな一歩だったかなと思っている。」 お見事です。
小型探査ローバMINERVA-II1(ミネルバ ツー ワン)とは?
「MINERVA-II (MIcro Nano Experimental Robot Vehicle for Asteroid [the Second Generation])」は、初代「はやぶさ」に搭載された探査ローバ「MINERVA」の後継機
上の写真は、はやぶさ2の底面を撮影したもの。「はやぶさ2」の底面には「MINERVA-II1」(ピンクの文字)および「MINERVA-II2」(青い文字)の2つのコンテナが搭載されている。
- 「MINERVA-II1」(ピンクの文字)には、2機のローバーが搭載(今回、投下に成功)
- 「MINERVA-II2」(青い文字)には、1機のローバーが搭載(来年、分離予定)
HAYABUSA2 MINERVA-II-1 スペック
今回投下された、2機の小型ローバ「MINERVA-II1」の写真です。左がRover-1A(ローバー1A)。右がRover-1B(ローバー1B) ローバーの上にあるのが、ローバー格納用のカバー。
ローバ(Rover-1A, 1B)スペック なんと、ちっこいんだ。直径は、i.Padくらいの大きさかな。
直径 | 18cm |
高さ | 7cm |
形状 | 正十六角柱 |
重量 | 約1.1kg |
カメラ(リュウグウ表面のステレオ画像を撮影) | Rover-1A(4台)、Rover-1B (3台) |
温度センサ(リュウグウの表面温度を測定) | 機体のふちから、トゲのように飛び出している部分 |
他、搭載センサ類 | 光センサ、加速度計、ジャイロ |
通信(はやぶさ2との) | はやぶさ2搭載の中継器 (OME-E)を使って、最大で32k bpsの速度 |
移動手段(リュウグウは重力が弱く、車輪が浮くため) | ホッピング(飛び跳ねる) 転がって止まったら、すぐにジャンプ (1回のホップで最大15m程移動) |
ホッピング機構 飛び跳ねて、リュウグウ表面を移動
なんて、可愛らしいんだ。しかも、ホップ、ホップ、ホップで、移動なんて。素敵。
機体内部のモーターの回転によって、反動で機体そのものがホップする(飛び跳ねる)仕組みとなっている。この移動方法により、リュウグウをホップして、表面を移動し、探索していく。リュウグウ上では、自分自身で状況を判断しながら自律的に動き探査をする。
転がって、止まったら、すぐにジャンプする仕様のようだ。直径900mのリュウグウは重力が弱く、車輪が浮いてうまく移動できないため、地表をジャンプして移動するように設計されている。
1回のホップで空中に飛び上がってから、着地するまでに最大15分間ほど滞空し、水平方向に最大15mほど移動できる見込みとのこと。