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リーマンショックから10年、次の金融危機は? 時価総額100兆円級、ハイテク巨大企業群GAFA(ガーファ), FAANG(ファング)が命運を握るか? それとも中国発か?

投稿日:2018年9月16日 更新日:

リーマンショックから10年、次の金融危機はいつどこで起きるのか?米国の経済、いや、世界の経済の命運を握るのは、GAFA(ガーファ)、FANG, FAANG(ファング)と呼ばれるハイテク巨大企業群だ。合わせて、中国発の金融危機の可能性についても言及する。

 

アメリカ株の時価総額ランキング(プラットフォーマーの実力)

アメリカ株の時価総額ランキングは、いまや、時価総額100兆円規模のアップル、アマゾンを筆頭に、マイクロソフト、グーグル、フェイスブックといったNASDAQ(ナスダック)の上場企業達。米国を代表するグロース株(成長株)は、全てハイテク企業。テクノロジーの先駆者ばかりだ。日本企業が束になっても勝てない規模。

 

GAFA(ガーファ)とは? がーふぁ

検索のGoogle(グーグル)、iPhoneのApple(アップル)、SNSのFacebook(フェイスブック)、インターネットショッピングのAmazon(アマゾン)の4社の頭文字をとったもの。
特に、時価総額が多い4社、合わせて300兆円規模のもはや、国家をも超える存在。
それぞれの分野で覇権を握るプラットフォーマー企業とも呼ばれる。これら企業の抱える膨大な個人データ(SNS、検索、買い物などの履歴)と、その力を警戒し、欧州でも色々な規制の話がでている。
日本でも、官民データ活用推進基本法が成立し、特定の企業のデータの囲い込みを抑えようとしている。

 

FANG(ファング)とは? ふぁんぐ

Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Netflix(ネットフリックス)、Google(グーグル)の米国の巨大ネット企業群の頭文字から作られた造語である。FANGは、英語で牙(きば)を意味する。まさにこれらの企業群は、米国の牙になっているというところか。米国の株式評論家ジム・クレイマー氏が提唱した。読み方は、ファング。

Googleは、2015年にAlphabet(アルファベット)の傘下になっている。

 

FAANGとは?

FAANGとは、FANGという造語「Facebook、Amazon、Netflix、Google」の4社の頭文字に、さらに、Apple(アップル)が加わった造語だ。読み方は、ファング(牙)。

 

FANNGとは?

FANNGとは、FANGという造語「Facebook、Amazon、Netflix、Google」の4社の頭文字に、さらに、Nvidia(エヌビディア)が加わった造語だ。エヌビディアは、画像処理半導体(GPU)で有名だが、最近ではAI関連企業として、自動運転技術などの基盤技術を提供する意味でも重要なポジションをとっている。エヌビディアには、ソフトバンクグループが、SoftBank Vision Fund(ソフトバンクビジョンファンド)から出資をしている。

ソフトバンクのビジョンファンドは、AI関連企業への出資のためのもの(関連記事)
世界を変える人 孫正義 ソフトバンクビジョンファンドはAIのため 2019年1Q決算説明会

 

FAAMGとは

FAAMGとは、FANGという造語「Facebook、Amazon、Netflix、Google」の4社から、Netflixを外し、Microsoft(マイクロソフト)、Apple(アップル)を入れたものだ。時価総額的に言えば、最も大きいものと言える。

 

MANTとは

MANTとは、Microsoft(マイクロソフト)、Apple(アップル)、Nvidia(エヌビディア)、Tesla(テスラ)の4社の頭文字を使った造語だ。FANGのFacebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Netflix(ネットフリックス)、Google(グーグル)とは、別の4社となる。「FANG・MANT」相場などといった使われ方をし、米IT8社を合わせて表現するときに使われる。

Tesla(テスラ)は、イーロン・マスク氏が起業した電気自動車のメーカーです。

 

GAFA, FANG, FAANG, FANNG, FAAMG, MANTの用語の違い

赤字がGAFA FANG FAANG FANNG FAAMG MANT
Facebook          
Amazon          
Netflix          
Google(Alphabet)          
Apple          
Nvidia          
Microsoft          
Tesla          

金融、株式関連のニュース、経済紙、新聞などで、よく出てくる略称、略語(正確には造語)のFANG, FAANG, FANNG, FAAMG, MANTの構成企業の違いを表にしてみると、このようになる。これらの造語は、米国株式市場(マーケット)で、流行ってきたものだ。その時代ごとに、構成銘柄も変わるようで、今後は、これらの構成銘柄の中でも、優劣がつくものもでてくるかもしれない。先日のFacebookの不祥事におけるFacebook株の急落が記憶に新しく、それを物語る。

 

リーマンショックから10年、金融危機は再び来るのか?

10年前、2008年9月15日、米国リーマン・ブラザーズ(証券会社大手)が、158年の歴史を終え破綻。19兆2000億ドル(2000兆円以上の資産が消滅)し、全米で880万人が失業した。

当時のリーマン・ブラザーズのトレーダー(ローレンス・マクドナルド氏)は、もっとリスクをとれ。もっとリスクをとれ。という会社の方針があり、何かあったときには、FRB(中央銀行)が助けてくれる。という考えがあったと言及。彼は、リーマン破綻後に、150人のリーマン関係者から話を聞き、A COLOSSAL FAILURE OF COMMON SENSEという本を書いた著者。

その彼が、現在のFAANG(大型ハイテク株)の急速な膨張に、「危機の芽」を感じている。一部のハイテク株に集中していることへの警告だ。

また、彼は、FRBなどの中央銀行は、金融政策の見通しを開示し過ぎと指摘。投資の世界には、これを悪用する野獣のような投資家が必ずいると。中央銀行は、過剰な金融緩和で企業や国を支えている。投資家は楽観的になり恐怖を感じない状態になっていると指摘している。

だが、FRBが金融政策の見通しの開示をするのは、市場との対話として、必要不可欠だと思うのだが。読まれすぎはだめってことであろうか。金融政策を開示することで安心感を市場関係者に与える事は重要だと思うが、それで、安心しきってしまい、市場が楽観論で染まるのが良くないということだろう。

彼は、リーマン級の金融危機が起こる可能性は低いものの、1998年の通貨危機、2011年のギリシャの債務問題に端を発したソブリン危機級のものは起こりうると。

 

Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Googleの株式銘柄が、多くの投資信託に組み込まれている

リーマンショック時の金融商品のような形になっている。Facebook、Amazon、Apple、Netflix、GoogleというFAANGの株式銘柄が、多くの投資信託に組み込まれる形だ。2018年、600ほどの米株式投信に組み込まれているようだ。(ベア・トラップス・リポート) 富が一つの場所に集中する時、危機の芽が生じる。

最も、リーマンショック時のときのサブプライム問題では、ジャンク債が金融工学なるもので、一般の人からは、良く分からない形で金融商品として作り上げられた。とにかく、金融商品とは、色々なものを混ぜこぜにして、わからないものを作り上げれば作り上げるほど、利益を生むものとして発展して、崩壊した。アメリカの金融工学の利用の汚点である。この作り上げた、むちゃくちゃな金融商品に対して、ムーディーズやら、スタンダードプアーズが AAA(トリプルA)最高位の格付けを与えていたという、これまた めちゃくちゃな状況とは、現在の状況は、全く違う。

ただし、現状のFAANGの株価は、かなり先の未来の成長を織り込んだ形で形成されているものの、ドットコムバブル時のような、全く収益もない、ドットコム(.com)と名前がついていれば、それだけで株価が上がるというような状況ではなく、きちんと利益を出して(あるいは、その利益を、次の成長の先行投資に使っている、その意味では特にAmazonがすごいが)いる状況である。

FANNG銘柄が下落すれば、それを組み込む投資信託も下がり、多くの人の資産が減る事で危機が生じる危険性をはらむ。

 

今はアメリカの田舎町に行っても景気の良さを感じることができる

元リーマンブラザーズ チーフエコノミスト ポール・シェアード氏は、今のアメリカ経済の強さは本物だと言う。今は、ニューヨーク(タイムズスクエア)を離れても、今はアメリカの田舎町に行っても景気の良さを感じることができると。失業率は低く、経済成長は力強い。今、金融危機がせまっているとは思っていない。が、我々は10年前(リーマンショック時)も危機が迫っていることは知らなかった。大きな不均衡や構造的な問題が、危機の芽となっている可能性はあると。

彼が、心配するのは、「現在の米中貿易摩擦が、中国に与える影響」だ。

トランプ政権との貿易戦争に耐えられるほど、中国経済の基盤は強くないと。中国では、今債務が大きく膨れ上がっており、経済成長は鈍化していて、金融システムは未成熟とのこと。危機に耐えられるのか不安があると。

習近平国家主席の政治的な権力構造の確立によって、長期間をかけて行う政策に関しては、政治的には、最もやりやすいと思うが、5年、6年ほど前から、言われていわれ続けているチャイナリスク(債務問題など)は、警戒する必要があるだろう。中国経済が、もはや世界経済と完全リンクしている状態なのだから。貿易戦争どころの話ではなくなるだろう。

彼は、現在ハーバード大学に席をおく。現状では、アメリカ発の危機が起きる可能性は低いと言及。10年前のリーマンショック危機から、どこの国よりもはやく立て直されたと米国に自信を持つ一方、トランプ政権の対中国での舵取りを間違えれば、自ら危機の引き金を引く可能性があると指摘した。

 

アメリカ一人勝ち、集中するFAANGへの資金

 

2008年末 

米国時価総額ランキング

2018年9月時点

米国時価総額ランキング

1 エクソンモービル アップル
2 ウォルマート アマゾン
3 P&G マイクロソフト
4 マイクロソフト アリババGP
5 GE グーグル

これは、2008年と2018年現在の米国時価総額ランキングだ。産業の新陳代謝がダイナミックに変化していることがわかる。2008年(10年前)には、マイクロソフト、GE(一部)以外はハイテク銘柄ではない。が、2018年現在、1位から5位まで、全てハイテク株(ほぼ、FANNGだ。)6位に、Facebookが入っている。FANNGの企業群自体が、アメリカを支えている。もしこれがなかったら、アメリカの株価は、現在の状態ではないだろう。ここに資金が集中しているため、アメリカ発の金融問題よりも、他で生じた問題により、FANNGの株を売らないといけない状態になった場合に、世界経済がどうなるかが要注意だ。

ただ、FANNG自体は、テクノロジーの進化、イノベーションを主導しており、なくてはならない存在、そして、時価総額の規模があまりにも大きすぎる、アップルに引き続きアマゾンも100兆円規模の時価総額だ。

 

膨れ上がる中国民間債務残高

国際決済銀行によると、2008年約5兆ドルだった中国の民間債務残高は、10年ほどで約5倍になった。(2017年約24兆ドル)

中国の企業、個人の借金の額である、民間債務残高。今後、中国での不動産価格が大幅に下がるなどすると、貸し倒れのリスクが高まり、金融危機につながると、前々から言われていた。ここまで債務残高が増えている現状でも中国がやっていけるのは、習近平国家主席の権力基盤が確立され、国家の運営がなされているためだろう。

直近、中国、中央政府は、今後、数年にわたり、過剰債務の抑制政策を維持すると発表した。そして、銀行の支援などで、延命を続けてきたゾンビ企業の排除を推し進めようとしている。政府主導で、銀行からの融資を辞めさせている。そのため、破産件数も増えた。裁判所破産申請受理件数が2015年3568件が、約3倍の1万195件に増えた。(出典:国家発展改革委員会)

建設途中で資金繰りや、政府の政策によりストップがかかったビル群、稼働しない工場群など、色々な事象が発生している。過剰な借り入れから、新しい借金を前の借金返済にあてるという中国企業も多い。

中国政府も、中長期では、この構造問題にメスをいれたいと思っているが、直近の米国との貿易戦争問題で、景気浮揚策を一時的にとらざるをえず、難しい舵取りを迫られる。

米国との貿易戦争にて、上海総合指数など株価が下がり景気に黄色信号がつくなか1兆元のインフラ投資を発表している。(リーマンショック直後は、4兆元)

 

金融危機の歴史

 

簡単に、金融危機の歴史について、まとめてみた。

20xx年 起きて欲しくないが、いつかは起きる

世界の通貨危機などにより米国のFAANG株が売られて発生?
第2の経済大国、中国発のものか?
地政学リスクや、異常気象等のリスクからか。

2008年 リーマンショック

米国の住宅バブル崩壊により、サブプライムローンの債権が回収できなくなり、負債総額約6000億ドル(約64兆円)という米国史上最大の倒産により、世界連鎖的な信用収縮による金融危機が起きた。当時、米国金融工学の産物として、サブプライムローン(いわゆるジャンク債を含む)を一般の人には理解できない形にした金融商品が、スタンダードプアーズなどの格付け会社によりAAA(トリプルA)格で評価されていた。リーマンショック後、すぐにこれらは、ジャンク債格に落とされる。格付け会社の存在意義をも問う問題である。ちなみに、リーマンショックというのは、和製英語で、the Global Financial Crisisなどと呼ぶ。この際、世界経済の助け役として中国は、4兆元(52兆円)のお金をだし、交通インフラ・公共住宅の整備などに資金を回し国内需要を活性化した政策をとる。これが、過剰な設備投資(各地で無駄な都市開発が行われ)を生み、現在、民間債務が増える原因となっている。次の金融危機の芽となる可能性もある。

2001年頃 ITバブル崩壊

インターネット・バブル、ドットコム・バブルともいう、インターネットを利用したビジネス・モデルが既存のビジネスを塗り替えるという妄想だけで(実態が伴わず)、ドットコムと会社に名前がつけば、お金が集まる、株価が何十倍にもなるという怪奇な現象が起きた。インターネットの可能性の凄さを、織り込みすぎたため、理想と現実の乖離により起こった現象だと思われる。2018年の今、まさに起きているような未来に対して、2000年初めではまだ現実が追い付かなかった。この2000年初頭に、果たせなかったテクノロジーの夢は次々に現実のものとなっており、その頃から生き残っているIT企業群は今、世界を席巻している。

1997-98年 アジア通貨危機

アジアの多くの国は、米ドルと自国通貨の為替レートを固定(ドルペッグ制)していたが、ドル安のときは自国に有利であったが、1995年以降、米国の強いドル政策実施によりドルが高くなると、ペッグしていた各国の通貨も上昇し、アジア各国の輸出が伸びなくなった。過大評価された通貨に対して、米国のヘッジファンド、機関投資家による通貨の空売りにより、アジア各国の通貨が下落した。タイ、インドネシア、韓国は、IMF(国際通貨基金)の管理下に入るまでの事態となった。

1987年 ブラックマンデー

暗黒の月曜日(ブラックマンデー) 1987年 10月 19日(月)のニューヨーク株式市場が大暴落する。この日,世界的な金利上昇懸念,インフレ懸念などを背景に株価が大暴落し,ダウで 508ドル,22.6%の下落となった。米国の財政赤字と貿易赤字が拡大傾向にあったことなどのファンダメンタルと、コンピュータによるプログラム売買が下落を加速したとされている。大恐慌時の1929年10月24日(木)に起きた株価急落が、暗黒の木曜日(ブラックサーズデー)と呼ばれたのにならいつけられた。

 

BATとは? 中国版FANG Baidu,Alibaba,Tencent

BATとは、中国を代表するIT巨大企業の百度(バイドゥ)、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)の3社、BAT(Baidu,Alibaba,Tencent)の頭文字からつくられた造語だ。

今現在は、バイドゥは、他2社からすると時価総額も小さく、アリババとテンセントが中国IT業界を牛耳っているとみて間違いないだろう。中国のIT企業には、アリババか、テンセントのどちらかの資本が入っているということが多い。

2018年1月、テンセントが、株式時価総額で米フェイスブックを抜き「世界5位」に浮上した。(約64兆)しかし、その後、業績の先行きが良くなく、1月高値から15兆円も時価総額を落としている。FANG同様に、テンセントなどの企業に資金が集中した逆回転が世界経済に与えるインパクトを考えておいたほうがいいだろう。

簡単に各社を説明すると、

・百度(バイドゥ)
中国国内の検索エンジン市場をほぼ独占している企業
検索世界市場では、Googleに次いで2位

・阿里巴巴(アリババ)
ソフトバンクが出資していることで有名
通販サイト 淘宝(タオバオ)
決済アプリ 支付宝(アリペイ)
今や、中国のインターネット通販の最大の商戦日となった11月11日の「独身の日」をつくったのがアリババだ。

・騰訊(テンセント)
世界最大のゲーム会社
10億人のユーザーを持つチャットサービス「微信(ウィーチャット)」
中国でのFacebook,LINEのような存在。

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