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[祝: 着陸成功] JAXA小惑星(リュウグウ)探査機「はやぶさ2」6メートル幅ピンポイントタッチダウンで、サンプル採取あっさり成功

投稿日:2019年2月22日 更新日:

2019年2月22日午前7時30分頃、第1回目タッチダウンに成功した。
タッチダウン直後の画像、ONC-W1による撮影
撮影時刻:2019/02/22 07:30頃 高度:30m以下
はやぶさ2の影と、ガス噴射の痕跡とみられるものが)

小惑星探査機「はやぶさ2」を小惑星Ryugu(リュウグウ)へ接地(タッチダウン)させ、リュウグウの試料を採取する運用を実施し、成功した。
「はやぶさ2」から送られてきたデータを確認した結果、サンプル採取のためのプロジェクタイル(弾丸)の発射を含む「はやぶさ2」のタッチダウンのためのシーケンスが実施されたことが確認された。リュウグウへのタッチダウンを成功。「はやぶさ2」の状態は正常。

探査機の制御の設定値の設定ミスで、リュウグウへの降下が5時間遅れになるなどのトラブルはありましたが、以前のはやぶさ(初号機)のトラブルとは違い、あっさりと成功させてしまった。はじめは失敗して、再度トライで成功とかだと、ドラマになるのですが、あっさりと成功ですね。さすが。初号機とは違うのだよ。初号機とは!2月6日発表のタッチダウン(着陸)計画通りにことが進んだようですね。 おめでとうございます。やったー。

あっさり成功したと、見えてしまうのは、それだけ、10月にタッチダウン延期からの4ヵ月間での入念な準備、検討があったからだ。また、2014年12月3日の打ち上げからずっと頑張ってきたことが実を結んだ。記者会見でのプロジェクトエンジニアの佐伯さんの 「しつこいくらい」連発のプロジェクトメンバー全員の執念が、結実したのだろう。本当に、おめでとうございます。地道に実直にやりつづければ、結果がでるんだということを教えてくれてありがとう。(涙)

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本日、人類の手が新しい小さな星に届きました。(津田プロジェクトマネージャー)

「はやぶさ2」のサイエンスチームとエンジニアリングチームの総力を結集し、わずか約6メートル幅の領域へのピンポイントタッチダウンに成功した。
2010年に帰還した「はやぶさ」に引き続き、世界で2例目の小惑星天体の表面物質採取に成功か?(今後、検証が必要。最終的には、地球に持って帰らないとならない。)

 

JAXAのはやぶさ2「タッチダウン」記者会見

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津田プロマネより。 人類の手が新しい小さな星に、想定の中でベストの着陸


皆様、お集りいただきどうもありがとうございます。
はやぶさ2プロジェクトマネージャーの津田です。
本日、えー、(ここで一瞬言葉につまる)、本日、人類の手が新しい小さな星に届きました。JAXAは、小惑星探査機はやぶさ2を小惑星リュウグウへタッチダウンさせ、リュウグウの試料を採取する運用を実施しました。はやぶさ2から送られてきたデータを確認した結果、サンプル採取のためのプロジェクタイル(弾丸ですね。)の発射を含む、はやぶさ2のタッチダウンのためのシーケンスが予定通り実施されたことが確認できました。Hayabusa2の状態は正常であり、今般、リュウグウへのタッチダウンを成功させることができました。

あのー、予定、10月にもともと着地を計画しておりましたが、そこから延期して、皆様がたにもご心配をおかけしたと思いますが、この4カ月間、計画を万全にして、昨日、今日と着陸にのぞみました。結果として、えー、想定の中ではベストの状態で着陸、思い通りの着陸ができたと考えております。ここまでご支援いただいた皆様、非常に多くの方から応援、声援をいただきました。この場をお借りして、感謝を申し上げたいと思います。それから、この運用は、JAXAだけではなく、国内外のサイエンスメンバー、それから、宇宙機関、NASA、DLR、ドイツ、フランスを含む各国のメンバーから協力をいただいています。それから、このプロジェクトの遂行に日本政府からもご支援をいただいて、ここまでこぎつけることができました。ここまで実現できたこと、こういう場を実現できたこと、非常に感謝しております。どうもありがとうございます。

拍手がおきる。

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プロジェクトエンジニア佐伯さん しつこさ

プロジェクトエンジニアの佐伯と申します。プロジェクトエンジニアって何やっているかっていうと、探査機のシステム全体のとりまとめをやらさせていただいております。で、今日のタッチダウンの際には、フライトディレクターという立場で探査機の運用を統括させていただきました。感想を一言いわせていただくと、まあ、非常に疲れました。というところです。はい。あと、それとともに、本当にほっとしているということを言わさせていただきたいと思います。あのー、これが本当の今回の運用が、成功したというのは、はやぶさ2チーム全体の、ある意味、しつこさとか、なんか実ったのかなと思います。まず、(リュウグウ)到着前には、仮想リュウグウを用いて、訓練をしつこいくらいにやって、(リュウグウに)到着したらしたで、リュウグウの全体を探索(観索?)した上で、L08という地点に目をつけて、そこをしつこいくらい観測して、岩の数まで、岩の高さまで調べて、ここに降りれるということをしつこいくらい議論して、もともと10月に降りる予定でしたが、それを延期したあと、4ヵ月間非常に、しつこいくらいの準備をして、今回のタッチダウンほど直前まで皆が、いろんな確認をしていたというのは(過去に)なかったんですけれど、そういったしつこさが、今回の成功に結び付いたかなと、今日で終わりではないので、まだまだ続くんですけれど、同じように、今までやってきたようにしつこく、りゅうぐうをなんとか攻略していきたいと思います。本日は、こういう場に立たせていただいて非常に感謝しております。はやぶさ2という野心的なチームの一員で、このような成功を体験できたことを本当に誇らしく思います。

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航法誘導制御担当、照井さん 非常に高い精度が要求された

航法誘導制御を担当しています、照井です。今回のタッチダウンの場合には、非常にあらゆる場面で高い精度が要求されました。まず高度20キロメートルから、ターゲットマーカーまで、しかるべき時刻に、つまりターゲットマーカーが地球の方を向いている時刻にめがけて、しかるべき高度までしかるべき精度でもっていかないと、いけない。いままでになく高い精度要求がありました。さらに、タッチダウンする場所が、狭い場所です。ですから、その狭い場所にピンポイントで着陸しなければいけないということ。で、それは前回落としたターゲットマーカーを頼りにして、その着陸地点の近くまで近寄って行って、そこでじっと速度を殺して(速度をださないで)、位置がずれない状態で降下するといった全てのシーケンスにおいて、非常に高い精度が要求されます。我々、それをリハーサル3のあと、パラメーターであるとか設計の数値を一つ一つ洗っていきました。結果として、さきほど話がありました、非常に高い精度でタッチダウンさせることができました。それには、関連したメーカーの技術者の方々、それから当然JAXAの航法誘導制御チームの協力と努力と意欲がなければできえなかったことです。私は、このチームを誇りに思っています。また、それによって、こういう結果を得られたことを素直に喜びたいと思います。ありがとうございました。

拍手がおこる。

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津田プロジェクトマネージャーより、タッチダウンの概要説明

昨日の朝、当初の時間より5時間遅れでの降下開始した。最初の降下の際の設定で見直すべき点があり、GOできるかどうかを判断していた。慎重な決断をしたからです。5時間遅らせるということも、そこから先の作業も今までやっていなかった作業ですので、このリカバリーはチームメンバーが非常に頑張ってやっていただきました。その結果として、5時間遅れだったが、着陸地点は決まっているため、降下速度は2倍の速度で実施した。通常は、秒速40センチを、秒速90センチほどにして降下した。シュミレーターでは、こういったこともやっていたので、こういう決断ができた。高度5キロメートルに至ると、探査機が自立モードになる。ここから、先は、通常通りの予定で動かした。GO,ノンGOの判断を行い、探査機にGOのコマンド(自立モードでやってね。と)を送った。それから先は、中継もされていたので、画面をみていた方も多かったと思いますが、我々の動きはモニターになります。(送られる電波から、探査機のデータから推定するしかできない。)これは、探査機が着陸に特化した、着陸に必要な姿勢に変更するために、探査機のアンテナが地球にドンピシャで向かない姿勢になるから。こういうことになります。ですが、ここで電波の周波数がどういう風に変化するかは事前に予測していて、プラスマイナス30分という中のどこかでタッチダウンに至るということを想定しておりましたが、結果としておこったことは、予定していた中でかなり、最速で着陸に至っています。電波の状態が、高度に変換できていますので、おみせします(紙で説明)管制の画面を印刷したもの、高度20キロメートルからスタートし、高度5キロメートルで、秒速10センチメートルに減速して、降下を続けます。最後、タッチダウンに至る(高度がゼロ)ところまでみていただけると思います。高度ゼロで、探査機は、プロジェクタイル(弾丸)を発射するようになっている。3発あるうちの1番を発射している。探査機の接地の確認は、いくつかの条件のうち、どれか1つが満たされればタッチダウンと判断し、探査機がプロジェクタイルを発射しますが、今回は姿勢の変動を検知して、プロジェクタイルの発射と上昇をしている。その後、現在は、探査機は高度20キロメートルのホームポジションに戻っている途中で、順調に規定の速度で戻っている。明日、24時間後に戻る予定。

もう一つだけグラフを紹介させていただきます。プロジェクタイルは、探査機がテレメトリーが戻ってきて、はじめて確認するのは、テレメトリーがない区間(電波だけ、電波強度と周波数だけの区間)で、信号の挙動が正しかった。ということと、テレメトリーが帰ってきたときにシーケンスが正しく見えてない区間で実行されたという後追い確認しかできない状態で、そこで正しく探査機のシーケンスが動作したことをもって、予定通りいったと判断していましたが、その後探査機からは、タッチダウン前後の情報がおりはじめています。プロジェクタイルを発射したときの温度情報、10度くらい上昇しているので、火がついた(火工品が発火した)とみて、弾丸が発射されたので、コンテナの1番、サンプルが入ったであろう、サンプラーを閉めるという作業を本日、昼ころには行う。7時29分に弾丸がでた。(19分後の7時48分に確認をした。)

この後、記者からの質問に移る。

 

全ては、小さなことの積み重ねから、ここまでの偉業に達しているんだ。と改めて感じた。感動をありがとう!!!
今後の健闘を祈ります。

出典、画像クレジット:JAXA

今までの「はやぶさ2」のリュウグウ到着からの話は、以下を参照ください。

JAXA小惑星(リュウグウ)探査機「はやぶさ2」 目的、スケジュール、現在地など 今の状況を解説

 

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