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JAXA小惑星(リュウグウ)探査機「はやぶさ2」2019年2月22日のタッチダウン(着陸)計画発表

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タッチダウン位置L08-E1(赤い)   
(C) JAXA,東大など

2019年2月6日、JAXAが記者会見をし、はやぶさ2の小惑星(リュウグウ)への着陸計画を発表した。タッチダウン(着陸)は、2月22日8時。着陸計画発表まで、実に長い時間を要した。というのも、小惑星(リュウグウ)は、難敵。岩だらけで、安全に着陸できる場所を探すのに困難を極めた。当初、2018年10月としていた計画は、延期となっていた。昨年10月、津田プロジェクトマネージャーは、リュウグウは、探査機を着陸させるという意味においては、いじわりきわまりない小惑星と思っている。いよいよリュウグウが牙をむいてきたなと。(着陸が簡単な仕事ではない)と、記者会見で語っていた。

2019年2月6日 記者会見動画(JAXA)

2019年2月6日JAXA記者会見資料

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タッチダウン日時、位置、場所、着陸方法が決定 2019年2月22日8時に

昨年10月から、本年2月まで、JAXAは、安全に着陸できる地点の選定、方法の検証を重ねてきた。そして、いよいよタッチダウンの位置が決まった。直径6m程度の狭い場所を狙っての着陸だ。選定理由は、大きさ60センチを超える岩がないため。少しでも、飛行コースを外れると、Hayabusa2の機体や太陽光パネルが、岩石と接触して壊れる恐れがある。事前に着陸地点の近くに投下した光を反射するターゲットをとらえながら、正確に着陸地点を目指す着陸方法を決めた。(ターゲットマーカは、すでに、投下済みのTM-Bを使い、ピンポイントタッチダウンの手法をとる)

津田プロジェクトマネージャーは、記者会見で、リュウグウの牙の形状がそれぞれわかってきたというのが今の状況だと思っていまして、攻略のやりかたがわかりましたので、そのやりかたに沿って間違うことなく、運用を遂行する。とのこと。

はやぶさ2は、高度2万メートルで待機しており、問題がなければ、タッチダウン(着陸)予定の24時間前、2月21日午前8時ごろから、リュウグウに向け降下を開始させる。

タッチダウン運用は、ホームポジションから降下開始、タッチダウン、上昇、ホームポジションにもどるという流れなので、2月20日ー22日にかけて行われる。

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タッチダウン位置は、L08-E1を選んだ。狭い領域だが、ターゲットマーカーに近いのが利点

デジタルエレベーションマップ(3次元の凹凸の地図) (C) JAXA
このマップを作製し、検討するのに相当の努力を要した。

L08-B1と、L08-E1の2つのどちらを着陸候補とするかを検討していた。

L08-B1は、広い(12メートル)が、高さ60cmほどの岩がある。ターゲットマーカーから遠い。

L08-E1は、狭い(6メートル)。ターゲットマーカーから近い。

ピンポイントタッチダウンという方法をとるので、ターゲットマーカーに近いほど着陸精度がよくなる。そのために、L08-E1は、着陸精度の余裕からみると、一見、L08-B1の方が広くてよさそうにみえるが、ターゲットマーカーに近い方をとったほうが、着陸精度が高いというのが、L08-B1を採用した技術的根拠。

このデジタルエレベーションマップが、非常によくできたおかげで、検討することができた。

8分30秒あたり(クリックすれば、そこから動画始まります)に、L08-E1領域のデジタルエレベーションマップの凹凸がみれる。L08-B1が、岩の凹凸がL08-E1よりも激しい。そのため、L08-B1を選んだと説明。

タッチダウン運用計画

 

探査機は、高度20Kmから降下して、高度5kmになって、降下速度を0.1m/sに速度を落とし、半日ほどその速度を維持。図では、分単位で記載しているが、30分前後のずれは、あるとのこと。

1回、タッチダウンを検知すると、上昇して、一日かけて戻る。

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45m以下の領域では、はやぶさ2は、自律的に動く(外からの操作ではなく)

探査機は、45mでいったん、降下をとめて、ホバリング状態になる。そして、落ちているターゲットマーカーを見つける必要がある。45メートルというのは、このターゲットマーカーを探すのに最適な高度とのこと。

45mで、ターゲットマーカーが、はやぶさの視野に入るのを待つ。 この間に、高度計測も、LIDAR(ライダー)からLRFに切り替える。一旦、ターゲットマーカーを補足したら②、ターゲットマーカーを視野の真ん中にしたまま、8.5メートルまで降下する。

8.5mでタッチダウンにむけて、姿勢を変える。(ここまでは、アンテナを地球方向に向けたままだったが)L08-E1に沿った形に、姿勢を傾ける。(この場合も、ターゲットマーカーを中心にすえたまま)
L08-E1を目指すために③で、ここがみそ。水平移動を行う。ターゲットマーカーをみながら、位置をずらす(オフセット)、ここで、はじめて、ターゲットマーカーを中心ではなく、端によらせる。(ずっと、ターゲットマーカーの上にはいない。)この状態ができあがったら、ホバリングを切って、最終降下する。L08-E1に着陸する。

着陸の検知方法は、いくつかあるが、探査機が地表についたのを検知して、弾丸を打って、サンプリング採取、実際の接地は 数秒間だけ。で上昇して、戻るという大変難しいことをやってのける。

これを、はやぶさ2が自律的に行う(操作されて動くのではなく)という点が驚きだ。

8.5mからの、はやぶさ2の動きの説明。

タッチダウン運用計画の考え方

探査機は、着陸シーケンス中、常時シーケンスが正常に進行しているか自己監視している。異常と判断した場合には、アボート(緊急上昇)を自動でする。とにかく、安全第一、でアボートで回避するということだ。探査機に何か障害が発生すれば、二度とチャレンジができなくなる。そのため、アボート回避する。厳しめに設定されている。アボートが発生した場合には、別途、バックアップ期間を使うなどして、タッチダウンを再度実施する。

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サンプラホーン

 

プロジェクタイル(タンタル製の弾丸)を、300m/sで射出。

弾丸によって、表面からサンプルが放出される。それが、サンプラホーンの中に導入され、内壁を反射しながらホーン上部まで上がっていく。

導入されたサンプルは受動的に、サンプルキャッチャの中に格納される。

取得されるサンプルは、3回までトライ可能。3回のタッチダウンができるようになっている。(3回サンプル採取される構造になっている。サンプルキャッチャ)

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プロジェクタイル発射実験

リュウグウの表面状態がわかったので、リュウグウ表面を模擬したものに、弾丸を打ち込み、表面を破砕して、そのチリ状の物質をとらえる実験が行われた。下記の動画が、スローモーション動画だ。

このようにして、サンプルを採取する。

2月22日の報告を楽しみに待ちましょう。

 

画像クレジットは、JAXA.

 

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