まさかのまさか、ソフトバンクとトヨタが戦略的提携をする時代がくるとは、トヨタといえばKDDIというイメージでしたが(資本関係から)、ソフトバンクのAI群戦略はモビリティー分野の投資がすごく(ライドシェアで大手4社で90%を握る)ソフトバンクと組むのが一番妥当だとは思うが、歴史的にみて、ありえないと思っていたことが起きた。
ソフトバンクとトヨタは、新しいモビリティサービスの構築に向けて戦略的提携に合意。新会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)株式会社」を設立して、2018年度内をめどに共同事業を開始。
まずは、孫さんの発表内容から。(記者会見より)
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孫さんも、びっくり、トヨタ側から半年前に話がきた
最初は、若手同士の話合いから(トヨタ、ソフトバンク)始まった。そのことを(孫さんが)聞いて、初めは、「本当か?」と驚いたのが正直な感想でした。と同時に、「いよいよか?」
ある意味、流れは自然にそういう方向(トヨタとソフトバンクが提携するという)にあったのかな?と。
非常にうれしくおもっている。なにしろ、世界のトヨタさんと一緒に事業を提携し、やっていける。それを想っただけでワクワクするわけですが、一体どのような両者の想いがあり、これから何を目指そうと思っているか、もう少し広い観点から、私(孫さん)の方から話してみる。
さきほどから、MaaS(Mobility as a Service)の話がでてきているが、元々、人類は移動することによって進化を遂げてきた。移動することによって出会いが生まれ、新たな生産性が生まれ、社会が動いていくということになるわけです。
それに加えて、最近AIが人類史上最大という革命が起きている、AIはすべての産業を再定義する。モビリティー世界一のトヨタさんと、AIに力をいれているソフトバンクが提携することによって、新しい時代のモビリティーが生まれる。これまでと全く違ったモビリティーが生まれる。我々、ソフトバンクは、AI群戦略というものを最近掲げてグループ戦略をとっている。中でも、モビリティーを中心としたAIの群戦略、私ども、10兆円の投資ファンドを作って投資しているが、モビリティーが中核をなしている。
モビリティーAI群戦略(ライドシェアで90%を握るソフトバンク)
ライドシェアの会社のウーバー、DiDi、グラブ、オラに筆頭株主として、事業展開している。彼らとは、毎月のように様々な形で会って、次の戦略を語りあっている。
それに加え、物流 トラックのライドシェア(フルトラックアライアンス 中国9割シェア)と我々は筆頭株主としている。自動運転のGMクルーズにも、約20%の株主としてはいっている。
さらに、AIの特にクラウド側にnVIDIA(エヌビディア)の株主になり、創業者のジェンセントとビジョンをわかちあい、これからどんなAIの世界がやってくるか語り合っている。
お互いのファミリーカンパニーが協調しあいながら、新たな展開をはかっていこうとしている。
この4社UBER,OLA、DiDi、Grabで、おそらく、世界の90%くらいのマーケットシェアをもっていると思われる。(乗車回数で)
自動運転の市場は、ライドシェアから始まる
おそらく、自動運転車が市場にでるとき、1台あたり数千万円の値段がする。AIのスーパーコンピューターの塊だと。ローカルの車の中にも、スーパーコンピューターのようなチップ(nVIDIA,ARMのチップがはいっており、クラウドとやりとりする。)
一般の車より、一桁高いコストになる。まずは、プロの使用として、一日、一般の個人よりも、一日に20倍くらいの走行距離、20倍くらいの乗車人数を載せるという意味では、ライドシェアの会社が、自動運転の市場としては、圧倒的最大になるのではないか。
我々のファミリーカンパニーが、ライドシェアとして最大のシェアをもっているのは一つの意味を持っているのではないだろうか。
ライドシェア4社の取り扱い高は、現在、年換算で10兆円。おそらく、10年もかからずに、現在のAmazonの取り扱い高まで追いつき追い越すという規模にのびる。急激に伸びている。
配車アプリは単なるアプリに過ぎない。(そういうイメージで、ライドシェアが見られるが)
これらの会社は、AIを使ったサービスのプラットフォームである。未来の需要予測をしながら、それに供給を与えていく。ダイナミックプライシングの導入で秒あたりで価格が変わる。ヒートマップを作り、15分毎に、100m四方の地域に何台の車が足りない、余るを予測して、移動する。
自動運転の世界、なぜおこなうか?
世界で、年間125万人の人々が亡くなっている。いずれ、事故の起きないモビリティーの世界がやってくる。
ソフトバンクグループ(SBG)とソフトバンクビジョンファンド(SVF)の投資先として、以下がある。
画像認識、AIの世界では、nVIDIA(エヌビディア)がある。
3D空間認識のLight(ライト)、AIによる運行管理サービスnauto(ナウト)がある。
ARMは、自動運転の世界に様々なチップを発表し、搭載されていく。
自動運転には、マップが重要になる。Mapbox(マップボックス)。
コマースとしては、AUTO1(オートワン)
リース/レンタルでは、Getaround(ゲットアラウンド)、fair(フェアー)
自動車保険では、ZhongAn Insurance(ゾンアン)、Policybazaar
我々は、まさに群戦略で(トヨタさんも既に出資されているウーバー、グラブ)、群れで提携しあっている。
TOYOTAのモビリティーとSoftbankのAIの融合
TOYOTA(豊田)のモビリティーとSoftbankのAIが足されると。
トヨタさんはモビリティーでは世界一、ソフトバンクは最近急速にAI分野で存在感を示せるようになってきた。今回のモネは、第一弾だ。(両者提携の)
第2弾、第3弾、より広く深い提携が進むことを、(孫さんは)望んでいる。心から願っているし、そういう状況を思うとさらに、ワクワクする。
そして、記者発表は、豊田章男氏にバトンタッチ。
ソフトバンクの「情報革命で人々を幸せに」と、トヨタの「全ての人に移動の自由を」の二つのビジョンが融合し、素晴らしいモビリティ社会がくることに期待しましょう。