AIが同時通訳できるようになるというようなニュースがあった。
この言葉、どこかで聞いたなあー。そう、AIのブームは、今回で3度目だったと記憶している。今回、ブームで終わらず、社会実装まで進む(現に進んでいる)と思います。
がしかし、言語の翻訳に関しては、個人的にいささか疑問が残る。
2000年になったときの元旦だったか、新聞の未来予想の中に、2010年言語の翻訳機が発売されるというものがあった。あれからざっくり20年。今、2018年、確かに、ili(イリー)やソースネクストが 音声翻訳機を発売している。スマートフォンのアプリなどでもありそうだ。主に、旅行・観光・語学学習用途で、限られた用途向けと認識している。ただ、対応言語などは多い機種もあるため、その国の全く言語を知らないようなところに行くときに、ちょっとお供に持っていくのはいいかもしれない。
しかし、英語に関しては、日本人は少なくとも何千、何万時間もの学習をしている人は多いはずだ。その知識を、話すための英語に切り替える事と、 AIが同時通訳できるまで、待つのをどっちを選択したらいいのだろうか。
今までの翻訳は、「統計的機械翻訳」と呼ばれるもので、目的の単語を、その周辺の単語を含めてどのように訳すかを決めているようで、部分ごとには、間違っていないものの全体としては、だどだどしい訳になっていたとのこと。それが、「ニューラル機械翻訳」により、文全体を対象に訳を決めるので、流暢に訳せるようになっているとのこと。
総務省の 「グローバルコミュニケーション計画」というなんとも、壮大な計画では、各専門分野ごとの言葉の訳文を集めまくり、「翻訳バンク」なるものをつくり、金融、医療などテーマごとに翻訳できるようにして、それをまとめて、一つのシステムを作るような話だ。
うーーーん、非常に厳しい感じがする。 専門、専門ごとの機械翻訳は、役に立つと思うし、できるだろう。
同時通訳が、一番難しいようだ。
会話を機械翻訳する場合には、話し終えてから翻訳を開始する逐次翻訳のため、会話中に空白時間が入る。 あたりまえのことだ。。 この会話中の空白時間を相手が忍耐強く待ってくれればいいが、疑問符がつく。そんな、会話会話の間に、間が入る人と、一緒に話し続けてくれるだろうか。ビジネスの現場で、自分がお客の場合は、全然OKだろう。逆はどうなる?
文が長くなるときは、適度に区切って訳す必要もある。そもそも、日本語と英語では、語順が違うから。それは、どうなのか。
情通機構では、同時通訳者の脳で起きている情報処理の仕組みも学び、2025年までに同時通訳のシステムを作るようだ。本当か?
もし、AIが同時通訳をしてくれる未来が本当に確かなら、日本には、かなりの朗報だろう。だが、それほどあまくはないと思う。かといって、小学校からの英語教育(先生が英語しゃべれないのに)で、英語ができるようになるとは もっと信じられない。それなら、AI通訳の方を待ったほうがいいと思う。