8月最終日に、プレス宛てに「Gather round.」というゴールドのリング状のデザインで、Apple(アップル)から、新iPhoneの発表会への招待状が届いた。私も招待状が欲しかったが、、、プレスに届いたメールには、
Please join us for an Apple special event at the Steve Jobs Theater in Cupertino.
September12,2018
10:00 a.m.
と記載されている。開催は、カルフォルニア州クパチーノ(クパティーノ)にある、アップル新本社(Apple Park) のスティーブ・ジョブズ シアターだ。
筆者には、このリングが、スティーブが晩年数年間の全ての力を注いだ新本社の形(リング)にみえる
また、アップルジャパンのホームページでもアップルスペシャルイベントの存在が。そこをクリックすると、アップルUSへのページへリンクされ、Apple Special Eventがあり、同じく開催場所(スティーブ ジョブズ シアター)と記載され、「Watch live September 12 at 10 a.m. PDT.」 イベントをライブで見てとある。
日本時間9月13日午前2時開始
アメリカ時間9月12日午前10時
日本からライブで見ようとすると、9月13日午前2時から。ここから開始なのだから、、、終わるのは。。
この黄金(ゴールド)のリング、どこかで見たような。 このリングは、もしかして、アップル新本社(アップル・パーク)のリングでは? iPhoneの新色にこの色を使うとかの意味もあると思うけど。 内側の2重丸や、外側のラインも気になる。この謎が解けるのは、発表日かな?
アップル新本社(アップル・パーク)のスティーブ・ジョブズ シアターとは?
新型iPhone(iPhone Xs, iPhone 9と予想)他、アップル製品が今回発表される開催場所のスティーブ・ジョブス シアターとは、そもそもアップル新本社(アップルパーク)(ジョブスの最後の遺産、贈り物とも呼ばれる。)とは、どんなものなのだろうか?
© CONDE NAST JAPAN
新社屋が完成間際に記者が、ジョナサン・アイヴ(アイブ)氏(アップルのデザインといえばこの人)に案内されて書かれた記事。アイブ氏と、ノーマン・フォスター(アップル・パークの建築家のひとり)とティム・クックの3人が語るインタビューから書かれている。ジョブズ氏亡き後、ジョナサン・アイヴ、ノーマン・フォスター、ティム・クックらが、意志を引継ぎ完成までに至る。
建設に8年の歳月を費やし、推定50億ドル(5000億円以上)を投入し、アップルの社員にインスピレーションを与えられる場として、また、同じアップルで働く人々が偶発的にお互いがコミュニケーションしあったり、自然を感じられる仕掛けを用意した、スティーブ・ジョブズが狂気すぎるほど細部までこだわり抜いて構想してきた、新本社(アップル・パーク)について書かれている。「新キャンパスの完璧さは、そこで働く人間のインスピレーションになる」と述べている。
ジョブズは、ノーマン・フォスター(建築家)に対して、自分の作りたいもののイメージを、フォスターがびっくりするくらい細かく細部に至るまで注文している、発想自体は、(自ら入学後すぐに中退したあの)スタンフォード大学の構内での緑豊かな場所、小道の張り巡らされた丘というものが述べられている。この丘の上に、今回の新型iPhoneが発表されるスティーブ・ジョブス シアターが建つというわけだ。
記者は、この世界に1つしか建たない建築物に対して、50億ドルもの巨額の費用をかける意味があるのかという問いと、このような立派な建物からインスピレーションを受けて新たなものが創造できるのか?についての疑問符を投げかけるのを忘れなかった。だって、名作「Apple II」は寝室で、「Macintosh」はオフィスパークの低層ビルで誕生したのではなかったかと。問いているのである。
以下、WIREDの記事から抜粋 © CONDE NAST JAPAN All Rights Reserved.
1. 丘の上の劇場(Hilltop Theater) 1,000人収容の「スティーブ・ジョブズ シアター」。高さ約6m・直径約50mのガラスの筒と、金属のような炭素素材の屋根からなる。/2. 駐車場 地下駐車場のほうが高くつくため地上と地下の収容台数を入れ替えた。/3. 免震構造 リングは地震に耐えるよう大きな鉄の免震アイソレーターの上に載っている。約1.4mまでならどの方向に動いても建物内の主要機能は損なわれない。/4. タイル張りのトンネル 全長約230m。デザインチームの承認前にコーナー部のプロトタイプが試作された。/5. ウェルネス設備 ウェイトルームと2階建てのヨガルームのほか、約9,300平方メートルのフィットネス&ウェルネス・センターで医療サーヴィスを受けられる。/6. 呼吸する建物 F1カーのエアフローを視覚化する専門家と共同開発。リングはキャノピー下端から外気を取り入れ、煙突に似た役目のシャフトを通じて外部に排出。/7. ソーラーシステム リングの電力は再生可能エネルギーだけでまかなわれる。大半は敷地内の7万4,800平方メートル相当のソーラーパネルから生み出される。/8. 巨大なガラスのドア カフェ外壁のガラス製スライドドアの高さは4フロア分。ドア1枚は約200トンで、地下にある装置で静かに開閉できる。/9. 景観 設計者のひとりが「ジョブズの理想のカリフォルニア」と呼んだ環境からインスピレーションを得られるよう、緑に囲まれている。
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スティーブ・ジョブスのこだわりと、深い見識(木材の例)
ミーティングは5~6時間続くことも多く、ジョブズの最後の日々のかなりがこれに費やされた。自分の要求を説明するときのジョブズは、空恐ろしくすらあった。ベーリングは、ジョブズがオフィスの壁について話していたときのことを覚えている。
「どんな木材を求めているのか正確に知っていた。ただオークがいいとかカエデがいいとか、そういうことじゃない。柾目(まさめ)で、冬、それもできれば1月に伐採されたものでなければならない。樹液と糖分の含有量を最小に抑えるためだ。その場に居合わせたのはそれなりに経験を積んだ設計者たちばかりだったが、みんな言葉も出なかったよ」
スティーブは、最後の数年間の全てを、アップル・パーク(「リング」と呼ばれていた)注ぎ込んだ。スティーブの贈り物のために。
アップルを率いる人々と話しているときに繰り返し出てきたのが、「スティーブの贈り物」というフレーズだった。この言葉の背後にあるのは、ジョブズは人生の最後の日々において、今後の1世紀はアップルの社員に利益をもたらすような本社キャンパスを生み出すプロジェクトに多大なエネルギーを費やした、という考え方だ。クックは「100年に一度の決断だった」と言う。「スティーブは明らかに体調を崩していた最後の数年間、自分のすべてをこの場所に注ぎ込んだんだ」
アップルの製品と同じ思想で作られた。細かいところで手抜きはしない。細部にこだわる。細部は重要だ。
「細かなところで手抜きできただろうか?」。クックはレトリカルに問いかける。「そんなことをしたらアップルではなくなってしまう。そしてそんなことをしたら、毎日ここで働く人々に、細部は重要だ、気にかけることは大切なんだというメッセージを伝えることはできないだろう」。それがジョブズが求めていたこと、彼が常に心を配っていたことだ。
スティーブ・ジョブス シアターについて
昨年12月、クック、アイヴ、PRトップのスティーヴ・ダウリングの3人は、ジョブズの未亡人であるローレン・パウエル・ジョブズと面会した。当時は新社屋の名前はまだ決まっていなかった。キャンパス全体に亡くなったCEOの名を冠するという案もあったがどうもしっくりこなかったので、より親密な栄誉として、敷地の南東の角にある劇場にジョブズの名を付けることになった。ジョブズはこの劇場についていろいろと考えていただけでなく、ここでは彼を有名にした新製品の発表イヴェントが行われることになるからだ。「劇場は丘の上にある。敷地内で一番高い場所のひとつだ」とクックは言う。「彼らしいだろう」
だから、彼の名前は劇場に残されることになった。それでもアップル・パークの至るところにジョブズの痕跡があることに変わりはない。リングの曲面の輝きから、風に揺れる木々にまで。目に触れる部分から、見えないところまで。
「リング」と呼ばれたこの構造物は、これから世の中にどのような革新を生み出すのだろうか。