アウディ(Audi)は、新型フラッグシップセダン Audi A8を発表。実に、8年ぶりのフルモデルチェンジ。日本では、10月15日より発売開始。価格は、なんと1,140万円より。
アウディジャパンは、アウディA8は、世界初のレベル3自動運転を実現されるために開発されたと発表。が、しかし開発するも、今回実用化したのはレベル2。それはなぜか?
写真は、欧州仕様だが、レーザースキャナー、超音波、カメラ、レーダーで、ガッチリ安全機能を実現。自動運転を見据えてのセンサー類の配置としては、このような形がスタンダートになるのか?
量販車として、世界初となる赤外線使用のレーザースキャナー(LiDAR)を搭載。
・レーザースキャナー
・超音波
・カメラ
・レーダー
高速道路で、速度60キロ以下の渋滞時に、ドライバーがハンドルから手を離せるレベル3の自動運転技術を開発した。(ただし、ドライバーは緊急対応のために常に準備しておく必要がある。)
が、残念なことに、レベル3は、国際的な技術認証や法改正の関係で、まだいずれの市場でも導入されていないと、説明された。
つまり、レベル3は、技術としては、開発済みだが、実用化はできないということ。
現在の日本の道路交通法では、運転中にハンドルから手を離すことはできない。そのため、レベル3の自動運転自体が違法である。
あえて、レベル2相当の運転支援サポートにとどめている。
法制度が、技術開発に追いついていない典型例だ。非常に残念だ。
アウディジャパン(フィリップ・ノアック社長)は、各国の法制度(規制)が違えば、国ごとに、それぞれ承認を得なければならず、メーカーの研究・商品開発に影響すると述べている。
明治大学、自動運転社会総合研究所(中山 幸二所長)は、ドイツ・アメリカも積極的に自動運転技術の開発を進めている。中国も電気自動車を中心として、自動運転技術を進めている。こういう中で、日本だけが国際競争で遅れてしまうということになりかねないとコメント。
米国SAE Internationalのレベル定義
レベル3について、簡単に説明すると、以下のようになる。
米国:SAEレベル による定義で、レベル3から自動運転と呼ばれる。
- レベル0:ドライバーが全て操作する。
- レベル1:ハンドルの操作か、車の加減速のどちらかをサポートする。(運転支援サポート)
- レベル2:ハンドルの操作と、車の加減速の両方をサポートする。 (運転支援サポート)
- レベル3:システムが特定の場所で全て運転する。ドライバーは、緊急時対応のために常に準備しておく必要がある(自動運転)
- レベル4:システムが特定の場所で全て運転する。(緊急時含む)(自動運転)
- レベル5:完全自動運転(全ての状況でドライバーが不要)
国際的な技術標準化へ向けて、主導権争いが始まっている。特に、米国、ドイツ(EU圏)、中国に対して、日本も先行できるように、官民あげての総力戦となる。特にAIがキーテクノロジーとなるので、自動車のハード面だけでない開発、規制緩和、技術標準作りが急がれる。